ぞくぞくと脈打つ快感が襲う。
犯される。指に、声に、…体温に
「…っ…は…」
自然に伝う涙が頬を撫ぜた。
徐々に早めるハチャの手の、指の動きが正確に、脳へ伝わる、敏感な所を中心的に這う、静電気の様にも似た。
「声押さえるな。喘げ、乱れろ。感じろよ、全身で」
悪い事じゃ無いんだ、と付け足されて。
そんな事を言われても羞恥心を消すのは難しい。
「…む、りだ…」
溺れたい。今与えられて居る此の快感に。
でも其れをぎりぎりで繋がる理性が許さない。
「俺は、見たい。」
呟くとラストスパートと言わんばかりに激しく手を動かされる。
「ぁー…はぁ…っ」
宣告も無しに来る過ぎる快感に耐え兼ねて精を吐き出して仕舞う
びくびくと身体が弓なりにしなる、最後の一滴迄、絞られ。
肩で呼吸を繰り返す。
其の肩をゆっくり押され、シーツに倒れ込んだ。
足を抱えられ、開脚して折り曲げられる。
「っ…ハチャ!」
赤子がオムツを取り替えられる様な、
全てを曝け出す其の恰好に抵抗を覚える。
「全部、見たい。」
脚の付け根をきつく吸われ、ちり、と宿る疼き。
其の間々脚を這う舌が後孔へと伝って行く
まだ硬く閉じられた入口の皺を延ばす様に、丁寧に、丁寧に。
「止め…汚い…」
眼を腕で覆い隠して、呟いた。
「ワードだから平気だ」
そう言う事を簡単に言う。彼は羞恥と言う言葉を知らないかの様に。
恥ずかしい。けれど、嬉しくもあるのは事実。
腕を捕まれ、背中に回される。
「…おかしい」
出た自分の言葉は想像以上に甘く響いた。
ハチャは結構、と笑うと後孔に舌を差し込み、内壁を丁寧に舐める。
軽く抜き差しをすると綻んで来る、其の様子を楽しみむ様に、指を一本差し入れられる。
「いっ…つ…」
異物が侵入してくる違和感に顔をしかめ。
痛い。…痛い。
でも、痛いだけじゃ、無い気がする。
「痛ぇ?嘘。んなカオして」
いつの間にか三本に増やされた指が中でバラバラに動いてる。
動かせながら、妖しく笑う。舌舐めずりをしながら、獲物を見付けた蛇の様に。
思わず見取れた。ふと我に帰って目線を外して。
毒付く代わりに背中に爪立つ。
「…早く」
欲しい。感じたい。
全身で、中一杯に。指じゃ…足りない
ずる、と指を抜かれ、変わりに頭を上げたハチャ自身が宛われる。
「御強張りか?オヒメサマ」
誰が御姫様だ。
ククッと喉奥で笑う、低い、何処か熱っぽい声。
其の声ですら、性感に触れる。
ナカに入って来る、ハチャ。
無意識に背中に縋り付いていた。
「ぅ…あッハチャっ…」
爪立つ。恐悦に震えて。
奥迄誘う自分に叱咤した。
「っ…熱ィ…」
はあ、と息を吐き出している。
そうか、余裕が無いのはお互い様。
快感には、弱い物だ。彼も、…私も。
「…すき…だ」
自然と口を付いて出た、こんな事言うつもりは無かったのに。
声こそ小さかったが、ハチャには充分聞こえた様だ。
「…俺は愛してる。」
嫌らしい笑みとは違う。
優しい笑みで、額にキスをされた。
それから、脚を肩に抱えられる。
私のナカで動くハチャのソレは動きだす。
最初は慣らす様にゆっくりと。
徐々に激しさを増して行く。
「…っあ…は…ぁ」
「ワード」
何回も、何回も囁く様に呼ばれる、
其の声に、体温に、酷く満たされる。
心地良い。
「…は、ちゃ…」
室内に響く、水音。
腰を動かしながら額に、頬に口付けて来る。
起用な奴だ。
唇を舐められ、舌を差し込まれる。
口腔と中を同時に犯される、そんな甘い疼き。
一際強く腰を動かすと、私の中で果てる、ハチャ。
其の熱さに、心地良さに、私も果てた。